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妥協せず、果敢に100点満点のものづくりに挑む未来の武藤工業を支える人づくりをサポートしたい。

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MUTOH ストーリー

武藤工業株式会社 プロダクトセンター センター長
T. N.

こだわりはハンドメイドの精緻なものづくり

私たちの所属するプロダクトセンターは、大判インクジェットプリンタといった武藤工業の製品を一手に手がける生産工場です。開発センターから上がってきた設計図をもとに試作機を組み立て、量産の準備を整え、製品を生産しています。昨今のものづくりの現場では、業務の効率化、自動化に向けてデジタル技術を駆使するスマートファクトリー化が進んでいますが、私たちは人の手によるものづくりにこだわりを持っており、そういう意味ではノン・スマートファクトリ―といえるかもしれません。

私たちがハンドメイドにこだわる理由は、製品をつくる際に非常に高いレベルの技術が求められるためです。世界中のお客さまの要望に100%応えるために、設計段階から難易度の高い要件が多く練り込まれているのが武藤工業の製品の特長です。たとえば、私たちの産業用プリンタは幅2メートルを超える大型のものもありますが、一般的な家庭用プリンタより圧倒的に精度が高く、多彩な機能を搭載しています。それを完璧なかたちにするには、ネジ締め、溶接などの自動化で生じる小さなひずみすら許されません。同じような製品をつくる競合メーカーでは自動化が進んでいるケースもありますが、私たちは熟練の技術者が一つ一つ組み立てる「Made in Japan QCD」のものづくりに誇りを持っています。

※Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)の頭文字をとった用語、製造業に欠かせない重要な要素

しばしば、自動化を進めたフォード・モーター社に対して、手作業で組み立てるフェラーリ社にたとえられることもあります。少し言い過ぎだとしても、武藤工業は、製品を構成する部品が非常に特徴的で、一般的なメーカーと根本から違う部品を使うことが多いため、ものづくりの哲学、思想は少し似ているかもしれません。

ハンドメイドによる精緻なものづくりに加え、製造に関連するすべての部門が一拠点に集約され、緊密に連携できることも武藤工業の強みです。最近、Webミーティングを利用する機会が増えましたが、やはり現場で製品や部品を目の前にして議論する肌感、ライブ感なしでは、いい製品は仕上がりません。たとえば、プロダクトセンターで問題のある部品が出た場合、すぐに購買や検査のメンバーが駆けつけてくれます。場合により設計や品質のメンバーも飛んできて即時対応できる体制になっています。部門に関係なく、すべてのメンバーが力を合わせて高品質な製品をつくりあげていく体制が武藤工業のものづくりを支えているのです。

長年、設計担当として武藤工業のものづくりを支える

長野に移り住んで長い時間が過ぎましたが、私は東京の出身です。父が生産現場で働く設計責任者だったこともあり、子供の頃からものづくりは好きでした。たとえば、市販のプラモデルをそのまま組み立てるのではなく、プラスチックの板を加工してパーツをつくり、カスタマイズをしていました。父の背中を見て、早い段階からものづくりの仕事に就くことを意識していたのかもしれません。エンジニアリング系の学校を卒業した後は、世界に認められるものづくりに携わりたいという思いからドラフターやプリンタのトップブランドの1つである武藤工業に入社しました。

プロダクトセンターに異動したのが2021年、それまでは入社してからずっと開発設計の仕事をしていました。現在、武藤工業が世に送り出している最新モデルの産業用プリンタには、私が手がけた製品が数多くあります。

私の長い社会人人生において、二度のターニングポイントがあります。一度目は入社3年目、アメリカの企業から依頼されたプロジェクトでプリンタの設計を担当したことです。当時の設計チームではまだ若手だった私が抜擢され、設計を進め、大規模なプロジェクトを成功させた経験は大きな自信につながりました。

二度目のターニングポイントは、現在の産業用プリンタのルーツとなる製品設計に携わったことです。武藤工業の名を冠した製品を設計し、世の中に送り出し、展示会で多くの賞を受賞したときには最高にうれしかったですね。武藤工業の名前が世界に知れ渡るようになった製品開発をした一員となれたわけですから、私のみならず武藤工業のターニングポイントにもなったと思います。

限りなく100点に近いものづくりに挑み続ける

コロナを境に世の中は大きく変化し、先行きが見通しづらい時代になっています。コロナ前、私たちの手がける産業用プリンタは屋外広告などの大きな看板で利用されることがほとんどでしたが、最近はステッカー、アクリルのキーホルダー、スタンドなど消費者の手元の印刷ニーズに応えるための多様な製品も出てきています。以前のように同じ製品を組み立てるのではなく、これからは同じ生産ラインの中でさまざまな機種を並行してつくり分けていく多品種少量生産が必要です。直近の目標は安定した品質、精度で多品種少量生産の体制を完成させることです。ITを活用した受発注や生産計画の自動化も視野に、人にしかできないこと、機械でもできることを見極めた上で、さらなる効率化を進めていきたいと思っています。

武藤工業のものづくりを次の世代に継承することも、私の重要なミッションです。簡単なことではありませんが、模範として仕事を見せ、若い人たちとMUTOHイズムを共有し、伝えていく責任が私にはあります。これまで、ものづくりは数えきれないほどやってきましたので、その経験を活かし、これからは人づくりに注力していきたいと思っています。一人ひとりが自身の手で課題を見つけ、的確に改善できるようになれば、きっと武藤工業の未来はより輝くものになっていくはずです。一人の管理者として、これからも若い人たちの成長を後押しすることには積極的に取り組んでいきます。

武藤工業には100点満点の製品はありません。なぜなら、さまざまなお客さまに使っていただく製品であり、芸術家が手がけるような一点ものの作品ではないからです。もちろん、つねに現場では100点満点を目指したものづくりをしますが、納期やコストで必ず妥協する、諦めざるを得ないポイントが出てきます。そこを踏まえた上で「次こそは!」と、より理想に近い製品を生み出していくことが私たちの仕事です。妥協によるマイナスを抑える方策を探し、改善を行い、失敗を恐れずにチャレンジすることに、ものづくりの醍醐味はあります。武藤工業には小さな会社ならではの自由度、フットワークがあります。望めばチャレンジする機会が与えられ、自分の考えた改善提案がすぐに反映される環境は、非常に働きがいがあるのではないでしょうか。

OFF TIME

すでに長野に移り住んでから30年以上になり、生まれ育った東京より長くなりました。近隣に山が多いこともあり、週末などの休みには愛車のオープンカーでワインディングロードを走ることが多いかもしれません。いい気分転換になっています。いつか仕事を引退したら、静かな海辺で暮らすことを夢見ています。大好きなクルマで海岸線をゆっくり流す、そんなセカンドライフを満喫したいですね。

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