
創業より受け継がれるMUTOHイズムのものづくりで世界中を鮮やかな色彩で塗り替えていきたい。
Vision
MUTOH ストーリー
MUTOHホールディングス株式会社 代表取締役社長
礒邊󠄐泰彦
ドラフターで世界に
イノベーションを起こす
みなさんは「ドラフター」という言葉をご存じでしょうか。製図板上にT定規、勾配定規、縮尺定規などの製図道具の機能を集約したアームがついた製図台のことです。1953年、高精度な計測器の製作・販売で培ったノウハウを活かし、日本では武藤工業が初めて世に送り出しました。販売開始から私たちのドラフターは瞬く間に世界中の設計者に愛用されるようになります。国内の大手企業の設計部門に導入され、日本の高度経済成長期のものづくりを支え、世界的にも大きなシェアを確保しました。ドラフターという名称は武藤工業の登録商標です。機械技術の発展に貢献したとして機械遺産にも登録されています。
ドラフターに始まる「日本品質の精緻なものづくり」というDNAは、今もなおMUTOHグループのものづくりに脈々と受け継がれています。

たとえば、現在の主力製品の一つLFP(ラージフォーマットプリンタ)製品は、鮮明な画質の表現力が最大の強みです。LFPではインクジェットのヘッドをX軸・Y軸に走らせるレールにきわめて高い精度が求められますが、ここにはドラフターの機構が採用されています。このLFPの製造工程では、鮮やかな画質を表現するために、レールの位置などを精緻に調整する作業に多くの時間を割く必要があります。日本人独自のスキルやノウハウ、いわゆる匠の技も不可欠です。このため私たちは創業以来、開発・製造・販売といったすべてのファンクションを日本国内で行ってきました。
私たちは今もなお、「Made in Japan QCD※」にこだわったものづくりを行っています。
※Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)の頭文字をとった用語、製造業に欠かせない重要な要素

もう一つ私たちがものづくりで大事にしていることはダイバーシティ、いわゆる多様性です。海外の販売会社では現地に駐在する日本人の社員とともに多様な国籍の人材が活躍しており、国内の工場でも日本人の熟練工に混ざり海外からの実習生が働いています。非常に多様化した人材構成となっており、それが世界にイノベーションを起こし続ける、MUTOHグループのものづくりを支える原動力になっています。
絶対に妥協を許さない
MUTOHのものづくり
少しだけ私の昔話にお付き合いください。

私は大学卒業後、大手電機メーカーに就職しました。入社後はひたすら技術者としてプリンタの開発を担当し、ドットマトリックスプリンタ、レーザープリンタ、インクジェットプリンタといったさまざまな製品を世に送り出してきました。しかし、開発の現場だけに身を置いていたわけではありません。「つくる者が売り、売る者がつくる」という企業風土があったためです。製品の特長を熟知する開発の技術者は、売る側の営業の立場からお客さまのニーズを把握して、次のものづくりの糧にする必要があります。そのため30代では4年間ほどアメリカに駐在し、現地のお客さまや市場のニーズに触れる経験もしました。
帰国後は駐在経験を活かして商品企画責任者を担当、その後、インクジェットヘッド事業責任者を経て、縁あって武藤工業に入社しました。私は技術者としての経験が長かったこともあり、ものづくりが大好きです。入社後は諏訪工場で開発生産部長として、ものづくりの現場に配属されました。
「つくる者が売り、売る者がつくる」ことは大変重要で、いろいろなお客さまにお会いして、ご意見をいただき、次のものづくりに役立てるスタイルはMUTOHグループの事業方針の一つです。
私は企業を社会から人(社員)、物(工場、社屋、設備)、金(資本)を預かる「社会の公器」だと考えています。事業を通じて世界の国々の発展と繁栄、加えて地球環境との調和に貢献することで、初めて社会の公器として存在意義が認められるものだととらえています。そして日本のメーカーとして「絶対にものづくりで妥協しない」矜持もあります。製品を購入し、使っていただくお客さまの役に立ち、喜んでいただくことが私たちの使命です。たとえば、プリンタという製品は画質を売るものだと考えています。印刷されたものが、お客さまに満足していただける画質でないと意味はありません。つねに私たちはお客さまの声に耳を傾け、ものづくりの工程で幾度も調整を加えながら高品質の製品を世に送り出しています。それが「MUTOHのプリンタはきれいで丈夫」といった、MUTOHブランドの世界的な評価につながっています。
成長したい、挑戦したい
みなさんを歓迎します
妥協しない最高の製品を世界に送る出すメーカーを支えるのは優秀な人材です。このため私たちは、ものづくりの前の「人づくり」を大切にしています。たとえば、プリンタ事業に携わる社員が外部の方から「MUTOHはなにをつくっている会社ですか?」と問われたら、「プリンタをつくっていますが、その前に人つくっている会社です」と即答できる人材を育成するために、近年は研修体制の拡充に力を入れています。

研修に限らず、面倒見のいい社員が多いため、日々の業務でも成長の糧となる知見や技術を学べる機会が多くあります。
私自身もつねに社長室のドアを開けており、自由に社員が立ち入れるようになっています。いつでも誰かが気軽に相談に乗り、成長を後押ししてくれる体制があるのです。
私は社員の成長のために挑戦の機会を与えることが重要だと考えています。おそらく、MUTOHグループで仕事をすると、幾度となく挑戦の機会があるでしょう。たとえ困難なミッションでも、きっとまわりのサポートを受けながら乗り越えることができるはずです。もう一つ、私たちの妥協しないものづくりに欠かせないものは、お客さまをはじめとした人々の接点に身を置くことです。たとえ開発の技術者であっても、必ず国内外の営業拠点への赴任といった幅広い素養を身につける機会を与えるようにしています。私はよく社員に開発、製造、販売のすべてを経験して、いずれは社長を目指してほしいと話しています。
私の使命はMUTOHグループのポートフォリオを変えていくことです。2020年に社長に就任してから、私はM&Aで優れた先進技術を持つ2社をMUTOHグループに加えました。
その2社が持つ技術資産を活かし、現在は新規事業の立ち上げを進めています。
とくにUV(紫外線)印刷技術を手に入れたことで、印刷の応用範囲が格段に広がりました。MUTOHブランドのプリンタが生み出す鮮やかな色彩が、大きな看板から小さなグッズまで、世の中のさまざまなシーンを美しく塗り替えていく日もそう遠くはないでしょう。
新規事業を立ち上げ、軌道に乗せるためには、まだまだ私たちにはたくさんのユニークな人材が必要です。知的探求心が旺盛な方、人と触れ合うことが好きな方、いろいろな挑戦を通して成長したい方をMUTOHグループは歓迎します。ものづくりに必要なセンスを持つ社員、コミュニケーションスキルに長けた社員、臨機応変で機転の利く社員、そして面倒見のいい社員が多数在籍するMUTOHグループで、一緒に働いてみませんか。つねにポートフォリオを刷新する取り組みを進めていきますので、日々が変化の連続となるかもしれません。
それでも、必ず挑戦と成長を通して人生の生きがい、仕事のやりがいが見つかるはずです。妥協しないものづくりの情熱で、私たちとともに世界に新たなイノベーションの風を吹かせましょう。
OFF TIME
サッカー愛は今も現役。学生時代からずっとサッカーに親しんできました。
いまもJリーグの応援がライフワークで、ホームゲームには足を運んでいます。最近MUTOHグループ内に駅伝部を立ち上げましたが、将来的には「サッカー部」も結成したいとひそかに考えています。